こちらのセッションを気に入ってくださっているAさん(女性)。
身体の不調を癒す過程で出会った人とのことを思うと「苦しくなる」。
これは「さびしさ」からくるものだと思う一方で、合理的に考えれば、「さびしさ」がその人に向かっていることに違和感がある。
でもやっぱり「苦しい」。ということでセッションが始まりました。
Aさんの許可を得て掲載しています。
ハコミは通常1時間程度のセッション時間ですが、これは2時間かけたセッションです。
ここでは、チャイルドワークをしていますが、いつもいつもそうなるとは限りません。
必要なことが起こります。
起きることを信頼し、自然に展開していくことについていきます。
その苦しさと静かにいっしょにいると…
スポットライトがあたった中に赤ちゃんチャイルドのイメージが現れました。
周りは真っ暗なのに、そこだけは明るいのだそうです。
Aさんは、さびしさは、このチャイルドが感じているものだと教えてくれます。
「そう、さびしいんだね」
「だって、誰もここにいないんだもの」
「そう、だれもいないんだ。それじゃあ、さびしいよね。さびしいのも無理ないね。ほんとにさびしいんだね…」
「私だけなんだもの、ここにいるの」
「そう、○○ちゃんだけなんだ。誰もいないんだね。さびしいねえ」
(居ても立っても居られないくらいのさびしさで)、どうにかして欲しいくらいさびしいと、大人の意識のAさんは、静かに訴えます。
(ハコミでは、このように感情を十分に感じながら観察する意識状態を大切にしています)
「じゃあ、大人のAさんにもここにいてもらって、私が話しかけてみるから何が起きるか、見ていてくださいね」
(こういう小さな実験を繰り返します)
「本当にさびしいね。あのね、大人のAさんと私はここにいるよ。あなたのそばにいるよ」
Aさんのほほに、静かに涙が流れます。
その気持ちに十分とどまってもらいます。
そうしてしばらくすると、記憶がでて来たり、今回の身体の不調の中で出会った人とのことを思い出したり、認知のレベルもともなって、ある種の統合の過程を経ていきます。
さらにしばらくしてから…また、赤ちゃんチャイルドに話しかけます。
「あのね、さびしいときは、さびしいっていっていいんだよ」
「さびしいときは泣いていいし、さびしいときは、人を呼んで慰めてもらっていいんだよ」
「(それを迷惑だって思う人もいるけど)、あなたのさびしさを埋めることで、その人のさびしさも埋まるんだよ」
「だから、さびしいときは、泣いてもいいし、人を呼んで慰めてもらっていいの、いいの」
お母さんが子どもに、というより、たぶん私は、おばあちゃんが孫に語りかけるような気分で…伝えていたと思います…。
これは、Aさんの心にとても響いたようで…
「もう一度いってください」
と頼まれました。
ゆっくり伝えて、十分に間をとることで…さらに統合が進みます…。
「さびしさのきっかけになった人は…こちらのさびしさは意に介さない、あるいは気がついていても関心がない感じの人だけど…」
「それはそれで、『天然』な感じがして…なんか、面白い感じがする」
「自分では、その『天然』さに気づいてすらいないかもしれないけれど…その『天然』さがいろいろな人に癒しをもたらしているのかも…」
もう、Aさんは泣いていません。むしろ、面白そうに、おかしそうに、笑顔を見せています。
Aさんの中から現れた自然な洞察、新しいものの見方です。
さびしさが十分に癒されたあとに現れた、もともとのAさんの快活さやゆたかさかも知れません。
「身体の不調は、この人に出会わせて、自分の内面を見なさい、ということだったのかも…」
「自分の内面にまた1つ気づくきっかけになったのかも…」
さびしさを自分だけでなんとかする必要はない。さびしさを感じたら、人を呼んでいいし、人に慰めてもらうこともできると…体験的に経験したAさんは…文字通りの輝くような笑顔で、お帰りになりました。
Aさんはその後、感想を送ってくださいました。
昨日は深いセッションをして頂きありがとうございました。
私自身一日が経ち感じたことをお伝えしたいと思いメールさせていただきました。
私は、自分を知りたいと思うことにかなりこだわりのある人間なんだと思います。
だから何かに躓き起き上がれなくなり、セラピーでの自己探求の道が与えられたのだと思います。
心理が好きというわけではなく、自分を知りたい・・・という強い気持ちが生まれた時からあったのかもしれません。
そして同時に気づいたことは、世の中にいる理解されていない人をも知りたいという気持ちが強かったように感じています。
かつては全く人から理解されずに生きてきたから、自分を理解し人をも理解したい気持ちが強かったのかな~なんて今は思います。
きっと根本的に人間が好きで関りたいという思いが深いところにはあるんだろうなと思いました。
ちょっとの気づきですが、ご報告したくてメールしました。
またの機会がありましたらどうぞよろしくお願いいたします。。。
お返事と暖かいメッセージをありがとうございます。あの居心地のいい空間にずっといて現実世界にはもどりたくないな~なんて感じてしまいます。
今日私は新たな気づきをしました。それは私があの外科医の中にある私の見たくない、一生隠しておきたい、人に知られたくない部分、私の生き方のパターンをまざまざと見せられ、私は「ゲド戦記」のような影に追われ怯えている状態なんだと気づきました。
私のシャドウの部分、何度も人に見せられ、でも気づかずにきました。それを自己受容することがどんなに自分にとって大切なことか。。。もう影に 怯えながら生きたくない、そんな強い気持ちがわいています。
こんな変化が訪れました。どうぞ、使えるものは掲載などにお使いください。
西田さんの力をかりて、ハコミという中からたくさんの方が生きる力を取り戻せることを切に願っています。
簡単なご報告まで。
Aさま
こちらこそ、Aさんの大切な時間に立ち会わせて頂いて、ゆたかな時間となりました。
ありがとうございます。
それに、感想までお送りいただいて、とてもうれしく思っています。
セッションが終わったあとの、Aさんの輝く笑顔がとても印象的でした。
女性らしさ、かわいらしさを増したような感じでした。
> 自分を理解し人をも理解したい気持…
> 根本的に人間が好きで関りたいという思いが深いところにはある
そうして…Aさんは、笑顔で人を受け入れているし…人といることを楽しんでいて、人の中に面白さを発見しているのですね。
ご一緒していて、私のどこかも、ころころと笑ってあたたまって、よろこんでいる気がしています。
お知らせいただいて、本当にありがとうございました。
また、なにかありましたら、どうぞプロセスをご一緒させてくださいね。
本当にありがとうございました。
どうぞ、お元気で。